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何年か前に15年ほどお付き合いのあった個人の靴修理の方がしばらく体調を崩された事があり、そろそろもう1軒新しい修理屋さんを確保しておいた方がいいかなと思い探していた時の事。
ある一軒の修理屋で、見本用に飾られていた底に貼るゴム材を見ながら「種類はこれだけ?」と聞いたところ、『そうです、これが一番減りにくいから』という返事。私はその一言を聞いたとき、あぁこの修理屋さんには任せられないなと感じそれ以上何も聞かずに次へ行く事にしました。
減りにくい物だけを使うというのは一般の方には聞こえが良く納得してしまいがちですが、我々のようなプロには100%正しいものの考え方とは言えません。ヒスゲートで主に扱うイタリア製の靴には様々なデザインの物があり、それらは個々に優れたバランスでデザインされていて、そのデザインに合う最適な材料を選んで(もしくは作って)構築されています。彼らは自由な物作りをしている様ですが、意外と靴作りのセオリーが守られています。
減りにくい底材というのはゴム質の硬軟だったりもしくは厚みがあったりということなのでしょう。しかし薄いレザーソール靴の場合には、薄く柔軟なゴム材が適しています(そのために海外製修理資材には何種類ものタイプが用意されています)。それは見た目のバランス(重さも含めた)や返りのいい履き心地を損ないにくいからで、部分的な減りは少し早いかもしれませんがどちらが良いかは履き比べるとわかります。もちろんそれらを理解した上で薄いソールの靴に厚みのあるゴム材を貼るのは自由です。
私自身は輸入靴を扱い始めて20数年になります。その間数多くの靴修理も同時に対応してきました。その経験からお客様の意向に沿い、靴に合った最適な修理をご提案しますので、より安心して依頼して頂けます。ヒスゲートでお買い上げいただいた靴は、可能な限り修理に対応しておりますので何でもご相談ください。
例えば、欧州製のレザーシューズならセメンテッド製法の靴でも非常に修理しやすく作られている物が多いのです。それらは、がちがちに作られておらず分解可能な加工しやすい部品で作られているからです。
私の持っているお気に入りのセメンテッド製法のカジュアルシューズは、履きすぎてキャップトゥ部分のステッチがほつれたり、つま先部分が接着剥がれを起こしたりしましたがまめに補修してもらい、ソールも後からマッケイで縫い付けたり、ヒールやハーフソールのゴムも交換しながら8年ほど経ちますがまだ十分履ける状態です。
お気に入りの靴ならどうしても出番が多く、履き倒してしまうことも多くなりがちですが、長持ちさせるのに靴のスペックはさほど関係ありません。丁寧に履いてやるという気持ちを持つかどうかが重要です。恐る恐る履けと言っているわけではありませんが、しょっちゅう走っているような人は問題外、紐を適当な位置で固定して結んで履いたり、一切手入れしなかったり、他に靴を持ってないなどは、短期間で履きつぶす方の典型です。
使ってみて重宝し、気に入る事によって大切に履く気持ちが生まれます。もう売ってないものならなおさらでしょう。気分よく履けた回数の多さはいい買い物であった証です。
しかし靴修理は新品に変える作業ではありませんしいつか寿命もやってきます。適度に使い、手入れもし、修理を重ねても履きつぶしてしまったならば、それはすばらしい経験だったと言えます。
その時にはまた新しい靴をご購入いただけたら我々にはうれしい事でもあります。(笑笑)
ほとんど履くことのない靴が、20年下駄箱にあっても長持ちともいえませんし邪魔なだけだったという事をお洒落の達人たちはみんな知っています。2013.HISS GATE

* 写真の靴は、文中にある私物。2005年に買い付けてその年の秋ヒスゲートにて当時\27300-で販売していたイタリア製の靴。
かなり履いたので靴紐がボロくなっていますが、靴の雰囲気に合っているのでオリジナルのままにしています。
ソールのゴムは、最初からオリジナル意匠のものが付いていたのを厚みだけ合わせて交換。ヒールはトップリフトを3回ほど変えています。マッケイ縫いは、後から入れてもらったもの。
モードなラウンドトゥとシンプルなデザインが今でも十分通用するのでまだまだ現役です!
* 一番下の靴は、10年ほど前に\27300-で販売していたイタリア製のヒスゲートオリジナルシューズ。お客様からの依頼で、もともとレザーソールだったのをビブラムのラバーソールに交換。ウエルト部分も新しいものに交換してあります。








06-6533-6590

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あらかじめご了承下さい。